こんにちは、ReyLuke(@hutarigurasicom)です。
フランス刺繍とクロスステッチ刺繍は、どちらも刺繍の一種で刺し方や使う道具などが違います。
刺繍とは「布などの素材に針と糸を使って装飾を施す技術」のことです。
刺繍にはたくさんの種類がありますが、フランス刺繍は中世のヨーロッパで上流階級の女性の教養として広まった刺繡です。
一般的に「刺繡」といえば、日本ではフランス刺繍のことを指します。
(出典:楽天市場)
フランス刺繍には、「刺し方(ステッチの種類)」がたくさんあります。
基本のステッチだけでも、
・ストレートステッチ
・ランニングステッチ
・バックステッチ
・アウトラインステッチ
・サテンステッチ
・チェーンステッチ
・ロングアンドショートステッチ
・フレンチノットステッチ
・クロスステッチ
などがあります。
「クロスステッチは刺し方の名前」で糸を交差させながら❌の形に刺していく技法です。
クロスステッチのみで絵や模様を表現する刺繍のことをクロスステッチ刺繍と呼び、「刺繍」を付けずに「クロスステッチ」と呼ばれることが多いです。
クロスステッチ刺繍と刺し方のクロスステッチが同じ呼び方なのでややこしくしています。
(出典:楽天市場)
人に尋ねられると違いを説明するのが難しいのは、
・カツレツとトンカツ
・うな重とひつまぶし
・巻き寿司と太巻き
・焼肉とステーキ
と似たような感じでしょうか。
今回は、フランス刺繍とクロスステッチ刺繍の「使う道具の違い」と「どちらが簡単か」について解説いたします。
フランス刺繍とクロスステッチ刺繍の使う道具の違い
刺繍は、針と糸と布があればはじめることが出来ます。
フランス刺繍とクロスステッチ刺繍では、使う布が大きく違います。使う布に合わせて使う針も変わります。
布
フランス刺繍
目の詰まった平織りの布に「布の織り目に関係なく自由(フリー)に刺すこと」をフリーステッチといい、フランス刺繍ではフリーステッチ用の布を使うことが多いです。
どんな布にも刺すことができますが、目の粗い布や伸縮性のある布にはフランス刺繍は向いていません。
クロスステッチ刺繍
縦糸と横糸が均等に織り込まれたブロック織りの布に「布の織り目を数えながら(カウントしながら)刺すこと」をカウントステッチといい、クロスステッチ刺繍ではカウントステッチ用の布を使うことが多いです。
「抜きキャンバス」などを使って、織り目を数えられない布にクロスステッチすることもあります。
針
フランス刺繍
一般的な縫い針よりも長くて針穴の大きい「フランス刺しゅう針」を使います。針先はとがっています。使う糸の本数に合わせて針の太さを使い分けましょう。
クロスステッチ刺繍
針先が丸い「クロスステッチ針」を使います。使う糸の本数に合わせて針の太さを使い分けましょう。
針先はとがった「刺しゅう針」は、織り糸の間に針が通ってしまいクロスステッチ用の布には向いていません。
※抜きキャンバスなどを使って目の詰まった布にクロスステッチする場合は、針先のとがっている「フランス刺しゅう針」を使いましょう。
糸
フランス刺繍やクロスステッチ刺繍では、特に指定がなければ25番刺繍糸を使うのが一般的です。
25番刺繍糸は、6本の細い糸がゆるくより合わさって1本の糸のように見えます。この6本の細い糸から1本ずつ抜き取って使います。
25番刺繍糸以外にも、5番刺繍糸・8番刺繍糸・12番刺繍糸などがります。
「25番」や「5番」って何のこと?
25番刺繍糸は、1グラムで25メートルの刺繍糸のことです。
1グラムで12メートルの糸なら12番刺繍糸、
1グラムで8メートルの糸なら8番刺繍糸、
1グラムで5メートルの糸なら5番刺繍糸といいます。
フランス刺繍では、太い線を表現したいときに5番刺繍糸などを使うこともあります。
フランス刺繍とクロスステッチ、どちらが簡単?
初心者でも始めやすいのは「クロスステッチ」です。絵を描くのは苦手な人でも、設計図通りに刺していくだけで素敵な作品がつくれます。
フランス刺繍は、基本のステッチをたくさん覚えないといけないのと、センスや絵心も必要になります。
クロスステッチは、使うステッチが1種類なのと決まったマス目に❌を刺していくだけなので簡単です。
難しさは、「水彩画」と「塗り絵」くらいに違うと思います。
布目を数えながら刺す「地刺し」という刺繍もあります。決まったマス目に刺すカウントステッチなので、フリーステッチのよりも簡単でフランス刺繍の練習にもなります。
地刺しのキットなら、布・針・糸・図案付き作り方説明書がセットになっています。
※「地刺し」は戸塚刺しゅう研究所の登録商標です。
「地刺し」は戸塚刺しゅうの代表的は手法のひとつで、布目を数えながら、1種類または数種類のステッチを自由に組み合わせて模様をつくる技法の総称です。
(出典:戸塚刺しゅう研究所)
数時間で出来上がる簡単な作品なら、はじめての人にも十分楽しめますので、フランス刺繍とクロスステッチの両方を一度試してみるのもいいかもしれません。
まとめ:世界の刺しゅうの種類
フランス刺繍とクロスステッチは、どちらも刺繍の一種です。
フランス刺繍 | クロスステッチ |
刺し方(ステッチの種類)が多い | 刺し方は1つだけ |
どんな布にも刺すことができる | クロスステッチ用の布を使う |
針先のとがった刺繍針を使う | 針先が丸いクロスステッチ針を使う |
25番刺繍糸を使うのが一般的 | 25番刺繍糸を使うのが一般的 |
センスや絵心も必要 | 絵を描くのは苦手な人でも大丈夫 |
難しい | 簡単 |
フランス刺繍やクロスステッチ以外にも、世界の刺繍の種類は数えきれないほどたくさんあります。その中からわかる範囲でリストにしました。(50音順)
アメリカ刺繍
アレッポ刺繍
イーラーショシュ
インド刺繍
ウクライナ刺繍
ウズベキスタン刺繍
オートクチュール刺繍
カシミール刺繍
カラド刺繍
カロチャ刺繍
グジャラート刺繍
クロスステッチ
刺し子
スーザニ刺繡
スウェーデン刺繍
スペイン刺繍
セルビア刺繍
中国刺繍
チュニジア刺繍
テナンゴ刺繍
トルコ刺繍
日本刺繍
ニャンドゥティ刺繍
ノルウェー刺繍
ハーダンガー刺繍
パナマ刺繍
バルジェロ刺繍
パレスチナ刺繍
ハンガリー刺繍
ビーズ刺繍
フェズ刺繍
プチポアン刺繍
フランス刺繍
フローレンタイン刺繍
プント・アンティーコ刺繍
ベトナム刺繍
ペルー刺繍
ボリビア刺繍
マチョー刺繍
ミシン刺繡
ミャンマー刺繍
ミラー刺繍
モロッコ刺繍
モンゴル刺繍
ヤオ刺繍
ヨーロッパ刺繍
リボン刺繍
リュネビル刺繍
ルーマニア刺繍
絽刺し
ロシア刺繍
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