こんにちは、ReyLuke(@hutarigurasicom)です。
撚りとは?
撚り(より)とは、複数の糸(繊維)をねじり合わせることです。
太くしたり丈夫にしたりする目的で、何本かの糸や繊維を束にし撚りをかけて、1本の糸として使えるようにします。
刺繍やクロスステッチなどでは、刺繍糸を半分に折って使うとこがあります。
2つ折りにしたら撚りの向きが逆にならないの?
「2つ折りにしたら撚りの向きが逆になる」というのは間違いです。
たまに勘違いする人もいますが、2本の糸を逆向きに揃えても糸のねじれの向きは同じになります。
今回は、「撚り(より)」について詳しく解説していきます。
撚りについて
刺繍糸の素材で多く使われている「綿(コットン)」は、植物の綿(わた)の種子を保護するために生えている白いモコモコした「種子毛(しゅしもう)」の天然繊維から作られています。
繊維のままではとても細く強度がないので、強く撚ることで強いしっかりした糸になります。また、弱く撚ると柔らかい質感になります。
撚り(より)とは、複数の糸(繊維)をねじり合わせることです。
綿(コットン)は「吸水性」に優れていて「保温力」「通気性」を兼ね備えた素材なので、汗などの水分をしっかり吸収してくれる肌着・下着といったインナーなどにもよく使われています。
撚りの方向
撚りの向きには。右撚(S撚)と左撚(Z撚)があります。
基本的に、刺繍糸など「手縫い」の糸は右下がりの右撚(S撚)、ミシン用の糸は右上がりの左撚(Z撚)と言われています。
「撚り」を使った慣用句
「腕によりをかける」
時間と労力をかけて、十分に腕前を発揮しようとして意気ごむこと。
※「撚りをかける」の手間をかけて糸を丈夫にするが由来です。
「よりを戻す」
複雑にこじれた人間関係を元に戻すこと。別れた男女が元の関係に戻ること。
※絡まった「撚り」をほどいて元の状態に戻すが由来です。
25番刺繍糸の撚りの向き
25番刺繍糸は、6本の細い糸がゆるく撚り合わさって1本の糸のように見えます。
6本の細い糸は、左撚(Z撚)でゆるく1本に撚られています。
クロスステッチでは、1本ずつ細い糸を抜き取って使います。
抜き取った細い糸は、右撚(S撚)で強く撚られています。
撚りの向きを逆にして、ほどいた時に細い糸まで撚りが戻らないようにするためだと思います。
※複数の細い糸を強く撚った糸は、「手縫い」の糸でも左撚(Z撚)になっているのも多いです。
2つ折りにしたら撚りの向きは?
クロスステッチでは、1本の糸を半分に折って2本取りで使うこともあります。
糸の方向が逆になったら撚りの向きはどうなるでしょうか?
右撚(S撚)は、どのように回転させても右撚(S撚)のままです。
ですので、1本の糸を2つ折りにしても、撚りの向きは同じです。逆にはなりません。2本の糸の向きがバラバラでも、右撚が左撚になることはありません。
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