こぎん刺しとクロスステッチの使う道具と刺し方の違い

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こんにちは、ReyLuke(@hutarigurasicom)です。

こぎん刺しとクロスステッチは何が違うの?

両方とも刺繍の一種です。技法が違います。

刺繍とは「布などの素材に針と糸を使って装飾を施す技術」のことです。

こぎん刺しは、「三大刺し子の一つで布に糸で幾何学模様などを縫い込む技法」です。

クロスステッチは、「糸を交差させながら❌の形に刺していく技法」です。 

元々こぎん刺しは、布を補強する技術で使われていました。

クロスステッチは、布を装飾する技術からうまれました。

クロスステッチと同じ道具でこぎん刺しはできるの?

糸と針はこぎん刺し専用のものもありますが、クロスステッチと同じでも大丈夫です。

ただし、こぎん刺しでブロック織りの布はあまり使いません。こぎん刺しでは平織りの布を使います。

今回は、こぎん刺しとクロスステッチの「使う道具の違い」「刺し方の違い」「こぎん刺しの発祥と歴史」について詳しく解説していきます。



使う道具の違い

左がこぎん刺しで、右がクロスステッチです。

布は両方同じコングレス(18ct)を使っていますが、糸と針はこぎん刺しとクロスステッチで使っているものが違います。

こぎん刺し

平織りで、布目が数えやすい目の粗い布を使います。

「コングレス」というこぎん刺し用の布が販売されています。

(出典:楽天市場

クロスステッチ

縦と横が同じ間隔で織られた専用の布を使います。

「アイーダ」「ジャバクロス」「リネン」などのクロスステッチ用の布が販売されています。

(出典:楽天市場

こぎん刺し

専用の「こぎん糸」という木綿の糸を使います。刺繍糸よりも長く丈夫なのが特徴です。

刺繍用の25番刺繍糸も使っても問題ありませんが、こぎん糸のほうが長いので安く済みます。

(出典:楽天市場

クロスステッチ

25番刺繍糸を使います。

こぎん糸に比べて、色数が豊富で光沢があるのが特徴です。

(出典:楽天市場

こぎん刺し

クロスステッチ針よりも長くて針穴の大きい「こぎん針」を使います。

針穴に糸が通れば、クロスステッチ針でも問題ありません。

(出典:楽天市場

クロスステッチ

針先が丸いクロスステッチ針を使います。糸が通しやすい大きな針穴です。

クロスステッチ布の目を刺すために、布割れしない丸い針先になっています。

(出典:楽天市場

刺し方の違い

こぎん刺し

基本は、布目を数えながら織り糸をすくって「なみ縫い」で刺していきます。一針ずつ縫うクロスステッチとは違い、一度に3~10目ほど刺したあと布をしごいて針目を整えます。刺しゅう枠は使いません。

刺す方向に合わせて布を回転させながら刺すのが特徴です。(右利きの人は)1段を右から左へ刺し進めていき、端までいったら布を180度回転させて次の段を刺していきます。

はじめての人や慣れるまでは、刺繍枠を使ってひと刺しずつ布目を数えながら刺していったほうが綺麗に刺せます。

クロスステッチ

糸を交差させながら❌の形に刺していきます。交差する上の糸が同じ向きになるように刺します。

刺繍枠を使って、ひと刺しずつ刺す方法が一般的です。

刺繍枠を使わずに、ひと刺しで針を表から入れて布をすくって表に出す「すくい刺し」で刺す方法もあります。

こぎん刺しの発祥と歴史

こぎん刺しの発祥は日本です。

16世期の初め頃は日本では麻布の衣服を着用していました。

麻布は、荒い仕立てのため風が通りやすく破れやすいので、すり切れたり破れたら当て布を施し、補強や保温のためにつなぎ合わせたり重ね合わせることにより布を刺し縫いしたのが「刺し子」の始まりです。

寒さの厳しい土地では少しでも暖かくするために、薄い布を何枚か重ね合わせて縫っていました。

布と布のあいだに空気があることにより断熱性を高め、暖かさを確保していたようです。

刺し子技法から、青森県津軽ではこぎん刺しが生み出されました。

青森県南部の菱刺し、山形県庄内の庄内刺しと合わせて「三大刺し子」と呼ばれています。

「こぎん刺し」の語源

江戸時代には、小巾(こぎん)という、農民が着る麻の単衣の短い労働着がありました。これに糸を刺して補強した着物を綴れ刺しまたは 刺しこぎん と言っていました。それがいつの間にか”小巾”でも”刺しこぎん”でも「こぎん」と呼ぶようになり、刺しこぎんが「こぎん」で通じるようになったと言われています。

(出典:こぎん刺しと菱刺し

歴史上の記録

江戸時代に東北各地を旅し、庶民の生活や風俗を丹念に記した菅江真澄の『遊覧記』には、「糠部のあたり(黒石)一帯の山里に住む男女は、しそ、山しそなどというものをかぶり、いろいろに綾をつけて縫った短い衣を着ていた。さしこぎぬというものである」(意訳)という表記が登場する。
また天保八年(1788年)日良野貞彦が、『奥民図彙』という見聞録のなかで、絵入りで記録しました。

(出典:津軽こぎん刺しについて

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