今回は、簡単な図案を使って「刺し始める場所」「刺す方向」「刺す順番」などの刺し進め方を具体例を出して紹介します。
本やネットなどで基本の刺し方はわかっても、クロスステッチがはじめての人には刺すルートを考えるのは難しいです。
どこから刺し始めたらいいのかわからない。
刺す順番を決められない。
正解はないので、どこからどの順番で刺しても自由です。とは言っても何も考えずに刺し始めると、刺し間違えたり刺し忘れることが多くなるかもしれません。
図案全体を見ながら、ある程度の刺すルートを決めてから刺し始めるのがおすすめです。
例えば?刺し進め方の例を教えてほしい。
今回はそんな人向けに、私が刺す順番を一例として細かく見ていきます。よかったら参考にしてみてください。
こちらで作ったアルファベット図案を使います。
刺し始めの位置から刺す順番と糸を始末するポイントを写真付きで丁寧に解説していきます。
刺し始める場所と基本の刺し方
今回の刺し方は穴埋め法で、一色の刺繍糸が刺し終わってから次の色の刺繍糸を刺す方法です。
刺し始める場所
小さい図案なら、私は左上から刺し始めます。
理由は、「布の左上に余白を取って刺すことで、布が余ったらカットして別でまた使うことができる。」「上段から下へ刺していくときは左側から刺すと綺麗に刺せる。」の2つがあります。
真ん中から刺すのがいいって聞いたけど。
真ん中から刺す理由は、クロスステッチキットなどで決まった布の大きさに刺す場合に上下左右の余白が均等になるためです。大きい布に小さい図案を刺すときは、真ん中から刺すと余った布がもったいないです。
小さい図案や布が大きい場合は、端から刺せば余った布をカットして別でまた使うことができます。
上段から下へ刺していくときは左側から刺すと綺麗に刺せる理由は、こちらで詳しく解説しています。
基本の刺し方
基本の刺し方は、横一列を、先に「/」だけを刺していき、戻りながら「\」を刺していきます。横一列が刺し終わったら、ひとつ下の一列を左側から刺します。
刺し進め方(刺す順番と刺す方向)の例
こちらの「A」の図案を使って実際に11カウントの布に2本取りで刺していきます。
1回で使う刺繍糸の長さは約40cmで、少し短めにしています。糸を替えるタイミングがわかりやすくなるように(2本取りですが)「○本目」で分けて紹介していきます。
一本目
それでは実際に刺していきます。一本目はここまで刺して糸が短くなりました。
刺し始めは「表側から(裏返さずに)できるループメソッド」を使っています。
一番上の横一列を「/」で刺していきます。右端の下段の1マスもついでに刺しました。
「\」で戻りながら、左側の下段2マスも刺します。
「\」で刺し始めの場所まで戻ってきました。
次は2つ下の1マスを刺します。
横が1マスの場合も、「/」で刺して「\」で戻って下段にいきます。
横1マスを3列刺したら一本目の糸を始末します。
二本目
二本目はここまで刺して糸が短くなりました。
二本目の刺し始める場所は、上の3段の一番下のマスからです。上へ「/」で刺し進んで、下へ「\」で戻ります。
上の3段が刺せたら、1つ下の1マスを刺します。
次は横に長い1列を右へ「/」で刺し進んで、左へ「\」で戻ります。
1つ下の1マスを刺したら、その下の2段を刺します。
糸が短くなったので二本目の糸を始末します。
三本目
三本目は左下が刺せたら糸を替えます。(糸は余っていますが、裏側を渡すには次が離れてすぎているためです。)
三本目の刺し始める場所は、左下のマスからです。(少し離れているので刺し間違いに注意です。)
右へ「/」で刺していき、途中で上の1マスも刺します。
さらに右へ「/」で刺し進んで、左へ「\」で戻ります。
左下まで刺せたら、三本目の糸を始末して新しい糸に替えます。
四本目
四本目は真ん中の斜めの線と右下までを刺していきます。
四本目の刺し始める場所は、上の3段の一番下のマスからです。上へ「/」で刺し進んで、下へ「\」で戻ります。
上の3段が刺せたら、1マスずつ「×」で下へ刺していきます。
右下へ裏側から渡すために1マス分は今は刺さずに右下へ移動します。
右へ「/」で刺していき、途中で上の1マスも刺します。
さらに右へ「/」で刺し進んで、左へ「\」で戻ります。
戻る途中に右側の上の1マスも刺します。
さらに左へ「\」で戻ります。
四本目の糸を始末します。
五本目
五本目は右側の斜めの線を刺していきます。
上から斜めに1マスずつ「×」で下へ刺していきます。(上の3段は、下のマスから上へ「/」で刺し進んで、下へ「\」で戻ってもいいです。)
①左下出→②右上入→③右下出→④左上入の順で1マスずつ「×」を刺していきます。
右下まで刺せたら、五本目の糸を始末します。
次からは新しい色の糸に替えます。あと少しです。
六本目
六本目からは色を変えて真ん中のブロックを刺していきます。
横一列を、先に「/」だけを刺していき、戻りながら「\」を刺していきます。
横一列が刺し終わったら、ひとつ下の一列を左側から刺します。
残りの糸が短くなったら、早めに糸の始末をして新しい糸に替えます。
七本目
七本目は残りのブロックを刺して完成です。
七本目も、六本目の続きを同じように刺していきます。
すべて刺し終わったら、刺し忘れがないか確認して糸の始末をします。
裏側はこのようになっています。
完成しました!
穴埋め法とは?
穴埋め法とは、一色ずつ同じ色の糸をまとめて刺す技法です。
同じ色を刺すマスが近くになくなったら、糸の始末をして違う色に変えて刺します。最後の方には、穴(まだ刺せていないところ)を埋めて(刺して)いくことから「穴埋め法」といいます。
穴埋め法についてはこちらでもっと詳しく解説しています。
1列ずつ順番に刺していくパーキング法の詳しい刺し方はこちらです。
コメント
まさにこのような図案の時、どうさせば良いのか分からず、検索して辿り着きました。
写真も見やすく、また文章と図でも示していただき、大変素晴らしい解説で、私にもできました。
ありがとうございます。